ファンクショナルトレーニングの5原則
こんにちは!渡邉です。
今日は少し専門的ですが、ファンクショナルトレーニングについてお話したいと思います。
ファンクショナルトレーニングとは、直訳すると「機能的な運動」という意味で、体の機能を向上させる運動のことです。体が正しく動くようになるとトレーニング効果が得られやすくなり、病気や怪我の予防改善にもつながります。つまりダイエットやボディメイクにも欠かせない要素ということで、つまりつまりトレーニングはやたらめったらやっても意味がなく、正しい動き方とちょっとした知識を身に着ければ劇的に効果が得られるようになりますよということです!
それでは、ファンクショナルトレーニングを習得するうえで大切な5つの原則を紹介します。若干難しい内容になりますが、最後まで目を通してみてください。
➀重力を利用する
スポーツに限らず人間が生活するうえで、基本となる姿勢は立位です。立位の姿勢から歩いたり走ったり、ものを運んだり、障害物を飛び越えるためにジャンプをしたり、 このような日常動作やスポーツ中で常に体に加わる力、それが「重力」です。人間は常に重力に抵抗して動作を行っています。ということは日常動作の機能を向上させるには、重力に耐えられる体を作らなければいけません。つまり動作の機能を向上するためのファンクショナルトレーニングは、重力に耐える体を作るトレーニングであるべきです。
例えば、キックボクササイズでの力任せの反動を使ったキックは脚を持ち上げるため腹部に強い負荷がかかる動作ですが、腹筋の本来の機能(立位での体幹の固定)を考えれば機能的とはいえません。目的が機能の向上にあり、重力に対して抵抗を与えるならば、軸足へ体重をかけ体幹をまっすぐに保ちつつ脚を持ち上げるというように、体幹の固定に抵抗がかかるべきです。
2.共同と分離
人間は多数の関節を保有し、それぞれの関節には役割が存在しています。それぞれの関節が正しい役割に応じて動作を行うことができれば、人間が本来持っている機能を最大化させたファンクショナルな動作ができるはずです。
例えば、腰椎・骨盤は大きな可動に適していない関節で「スタビリティジョイント」と呼ばれ、それをまたぐ胸椎と股関節は大きな可動に適している関節なので「モビリティジョイント」と呼ばれます。ファンクショナル動作では、前者は”固定”、後者は”動き”として、各関節を分離させて動作を行います。また機能を分離した関節は、ファンクショナルな動作の中では同時に活動し、全ての関節動作を共同させなければなりません。ここちょっと難しいですね。
例えば、体幹と股関節の動作が分離できていれば、バランスが取れたきれいな姿勢で足が上がるのでターゲットに正しく効き、体への負担なく動くことができます。動作をしたときにスタビリティジョイントである体幹が動いてしまったら、不安定になり正確な動作をすることができず怪我のリスクも高まります。
3.キネティックチェーン(運動連鎖)
人間の動作は単体の筋肉だけで行われているわけではなく、多くの筋肉が連鎖して起きています。例えば歩くときは、力は地面から足の筋肉を伝わり、お尻、体幹、上肢へと伝達され前進していきます。キックボクササイズでのパンチ動作も同様です。力が地面から伝わり、拳からまた足元へと戻っていくことで全身の筋肉を連鎖的に稼働させます。よってシンプルな動作でも大きな効果が期待できます。
もしその連鎖が途中で途切れてしまうと、エネルギーが伝わらず、正しい動作が生まれないばかりか、連鎖が途切れた部分に障害が起きる可能性かあります。
4.三面運動
人間の動作は基本的に三面で起きているため、カラダの機能を上げるトレーニングも三面運動でなければなりません。
例えば歩く動作では、正面からみた場合は交互に片足立ちになるため重心が左右に移動していることがわかります。次に横から見た場合、手足が大きく前後に動いているのが分かります。最後に真上から動作を見てみると、背骨を中心として手足の動きとともに胴体がねじれ動作を行っているのがわかります。人間の動作は単調に見えて、多くの動作は三面で行われています。したがって、ファンクショナルトレーニングも三面動作を考慮したトレーニングであるべきなのです。
棒立ちのままサンドバッグを打つのではなく、重心移動、体幹の捻りと固定、四肢の連動など、三面をフル活用して行うから効果が出るというわけですね。
5.力の吸収と発揮
人間の体において、大きな力の発揮は必ずその反対方向に力を溜めてから行われます。高くジャンプをしようとすれば無意識に一度しゃがむはずです。このしゃがみこみがなければ、力の吸収が行われず高く飛ぶことができません。
どのスポーツや日常動作においても強い力を発揮するためには、事前に踏み込む動作が必要になるのです。つまり、ファンクショナルトレーニングでも動作を機能的にするためには、吸収に着目したトレーニングが必要になるのです。
パンチやキック動作の後、体がサンドバッグと向かい合うような正面向きの体勢だと、この吸収が行われないため次の動作のエネルギーが小さくなります。常にファイティングポーズの体勢の戻り、力の吸収を活かしてダイナミックなトレーニングで全身が使えると良いですね。
今回は少し込み入った話になりましたが、こういったトレーニングの知識もつけていくと正しく最短で結果を出すことができます。怪我や病気の減らし、無駄なく理想体づくりをしてきましょう!